辛坊 治郎さんに会いたい!

東京五輪の影響で葉山港の利用がいまだに制限されていることで、タンデムアイランドでの冒険は足踏みです。

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時間の使いかたは自由

いっぽう、テレビやラジオでお馴染みのジャーナリスト、辛坊治郎さんが大阪→サンディエゴ→大阪という単独無寄港の航海から戻られました。ひとりでの航海、実におつかれさまでした。

最初に断っておきますが、私は辛坊さんの大ファンです。

そのうえで、考えたことを書きます。

まず、日本人の間では、ヨットで太平洋を横断、というとまず「大冒険」「挑戦」という単語が想像されることでしょう。さらに思い浮かぶ単語といえば何でしょう?「孤独」「遭難」「鯨」「台風」「嵐」「救助」…こんな感じじゃないでしょうか?

私は運よく、30歳前後の時に仕事でヨットにのことがあって、日本から遠く赤道付近の島々に行くことがありました。

年中乗っているわけではないので偉そうなことは言えませんが、そんなささやかな経験から言わせていただきます。

今回の太平洋往復は、実にもったいない、もっと楽しくできたのに!

そりゃ、他人がどこをどう旅しようが勝手ですけどね。

アメリカ西海岸には大きな港がいくつかありますが、なぜ目的地が最初からサン・ディエゴだったのかなど、ご本人から聞いてみたいです。

わざわざ南端のサン・ディエゴに行かなくても、カナダのバンクーバーアメリカのシアトル、サン・フランシスコ、ロス・アンゼルスという選択もあったのではないかなぁと。

バンクーバーから点々と上記の順に南に降りたら、そこだけ切り取っても、なかなか日本ではできない楽しいクルージングができたのではないかと思うのです。

何が言いたいかというと、日本に暮らす人の脳にはびこる、「海は軽々といってはいけない場所」というマインドから辛坊さんも抜け出られていないのではないか、ということです。

ヨットは単に荒海に耐えて目的地に到達するための乗りものではなく、純粋に風の力でどこへでも連れて行ってくれる自由で楽しく快適で不思議な乗りものなのです。

 

それを実感したのは、シアトルから5日間のクルージングをしたとき、そしてニュージーランドオークランドから東海岸の短い距離ですがそこを2か月かけてクルージングしたときです。

ヨットでの贅沢な時間の楽しみかたを知ってしまった感じでした。

どれだけたくさんの距離を乗ったかより、どれだけたくさんの港や停泊地に泊まり、そこでの出会いや発見などできたか、それがヨットの旅の醍醐味だと思ったのです。

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辛坊さんがもう一回行くよ、というのであれば、ぜひ、大阪→バンクーバー→シアトル→ポートランド→サン・フランシスコ→ロス・アンゼルス→ハワイ→ミクロネシアの島々→小笠原・硫黄島・西ノ島→大阪というルートを勧めようと思います。

それも一人でではなく、各区間で乗る人を変えながら、気の合った2~3人で行くのです。

もしかしたらどこかの停泊地で、帰りたくない状態になるかも知れませんけどね。

 

出入国のやり方と現地の事情にくわしい人から事前にあるいは着いてから情報が得られれば、その土地の楽しみ方がわかったはずです。

 

仕事でなければ絶対に行かなかったミクロネシアの島々には、ほとんどの日本人が知らない神秘があります。

周囲を全部見渡せるほどのある小さな環礁、もしかして日本人として初めて来たんじゃないかと思える場所でです。アンカーを降ろして潜っていたら、2mくらいの水深にゼロ戦の残骸が。コックピットにはサンゴが生えていました。主翼にはうっすらと日の丸が残っていました。こんなに本土から遠いところで日本を護ろうとどんな思いで飛んで、そして墜落したのだろうか…と想像しました。

それだけではありません。海は興味が尽きないワクワクする場所です。

もっと海を身近に感じていただきたいのですが、日本の陸地に漂う呪縛に似たナニモノかが、なかなかそうさせません。21世紀の現在、不思議なことです。

先に書いた神秘なことを書き始めたらきりがないので、今日はおしまいにします。

辛坊さんにぜひ会いたい!