タンデムアイランドだけでなく、Hobie Cat社のカヤックには、舵(かじ)を操るステアリング・ハンドルが付いています。
艇の椅子に座ると、左手で操作するのにちょうどいい場所に付いています。右に行きたければ右にひねり、左に行きたければ左に、といった具合です。
初めてタンデムアイランドに乗った人でも、これなら迷うことなく行きたい方向に舵を切っていかれるでしょう。
こんな小さい部品でも、タンデムアイランドができてからいろいろ改良されて今に至っています。今の仕様からはもう改良の余地は無いんじゃないかと思っています。
というのも、オプションで用意されている、ハイキング・スティック(Island Hiking stick)を付けて実感したのです。
Hobie cat社のカヤックはタンデムアイランドに限らず、とっても良くできています。やわらかく座り心地の良い椅子に前向きに座り、視界は良好!
ただ、ディンギーヨットを経験した人にとっては、ヨットの醍醐味ハイクアウトができません。それを可能にしたのが今日紹介するオプション、ハイキング・スティックです。
ニクいことに、ステアリング・ハンドルにはハイキング・スティックを取り付けるための穴とネジがあらかじめ切ってあります。ここにスティックをねじ込めば、風上のトランポリンに体を預けて、離れた所から舵を操れるのです。
風が強い時も、これなら艇の傾きを潰しながら走れます。
ただ、ひとつ!難点がありました。
最初に書いたように、このハンドルは、右に行きたいときには右にひねるのです。
慣れ親しんだヨットについているティラー(舵に付いている棒)とは逆方向なのです。
私も、ディンギーに乗り慣れているので何とも変な感覚でした。
でもあるとき、葉山港でタンデムアイランドを見物に来られたかたにそれを言うとひと言。このハンドルを180度逆に付ければいいじゃん・・・と。
当たり前のことに気付かない私が恥ずかしかったです。
ハンドルの上のネジを緩めて180度反転できるか試したら・・・できました!
反転させたノブにこのハイキング・スティックを付けたら、なんと!ディンギーと同じ感覚になるじゃないですか!
さっそく乗ってきました。
“いいじゃないのぉ~” と思わず唸ってしまいました!
ということで、“強くおすすめするオプション”に格上げしました。
実は・・・隠していたわけではありませんが白状します。
進行方向に向かって座るのは確かに新鮮で嬉しいものですが、同じ方向から風を受けていると、ずっと体を同じ方向に傾けていることになるので、ちょっとしんどいこともあるんです。
でも、このスティック1本で解消され、またあらたなステージにあがりました。
慣れたヨットと同じ感覚ですし、寝転びながらとか好きな姿勢で操船できるので、嬉しい限りです。
DIYは苦手じゃないのですが、このスティック、自作するより既製品を買った方が安いと判断しました。私が購入した2018年11月においては、11,000円(税込)です。製品を見ると自作できたかな?と思うのですが、きっとこんなにきれいにできません。
前後のトリムですが、タンデムアイランドに1人で乗った場合、約70kgの私がトランポリンに乗ってハイクアウトをすると、ちょっとバウが波に突っ込む感じになるので、トランポリンの後ろの方に乗るようにしています。
※最後に大事なことを。
1人で乗られる際はくれぐれも落水に注意してください。後部座席からトランポリンに移動する際に落ちたら…タンデムアイランドは勝手に走って行ってしまいます。ライフジャケットはもちろんですが、携帯電話か無線を体のどこかに付けておくようにしましょう。