私のヨット歴はブランクはありますが、30年近くになります。でも、そのほとんどがモノ・ハル(胴体が1つ)でのものです。
ヨットにも動力船にも、双胴船というタイプがありますが、双胴船のことをカタマランと言います。で、胴体が3つのものをトライマランと呼びます。また胴体が2つ以上の船をまとめてマルチ・ハルと言ったりします。(船体が4つ以上のものを私は筏(いかだ)以外知りませんけど)
モノハル・・・英語で書くとmonohull
カタマラン・・・英語で書くとcatamaran
トライマラン・・・英語で書くとtrimaran(日本ではトリマランと呼ぶことが多い)
まぁこんなことはどうでもいいのですが、ついでに・・・
mono(モノ)、di(ジ)、 tri(トリ)、tetra(テトラ)、penta(ペンタ)・・・はギリシャ語の1、2、3、4、5・・・です。
ギリシャ語なんて習ったこと無いのに、すでに当たり前に使っているものもあります。
①モノレール monorail はレールが1本だからですね。
②ひとつだったものが二人になる離婚(ディボース)は英語で divorceと書きます。
③楽器のトライアングルは triangle、そのほか3人トリオとも言うでしょ?
④海岸に見られるテトラポット tetrapod は角が4本生えてます。
⑤米国の国防総省は五角形だからペンタゴン pentagon、ペンタックスというカメラのメーカーがありますが、あれはカメラの頭にあるプリズムレンズが5角形だからそこからとったものでしょう。
でもなぜ、双胴船は胴体が2つなのに、ジハル(dihullという単語はありませんが)とか、3つの場合はトライハル(trihull)にならずに、○○○maranという言葉になったのでしょう。
どうでも良いことですが調べてみました。
実はカタラマンというのはタミル語の kattumaram(カタマラン…と読める) からきているのです。
タミル語というのは南インドのタミル人の言葉。
タミル語の kattumaram は英語で言うとlog bound togther・・・丸太を並べて繋いだもの・・・という意味だそうです。
紀元前2500年には、台湾あたりを起源とした今のポリネシア系の人たちが、南太平洋へ筏(いかだ)に帆を付けたような・・・あるいは、今でいうアウトリガーカヤックのような船で南部の島々を開拓・・・当時は開拓という意識はなかったかも知れませんが、移住をしていきました。
その当時使われていた双胴船タイプの帆かけ舟をKattumaramと呼んでいたのです。
紀元前2500年というと、縄文時代より少し後で、エジプトではスフィンクスが建てられた頃です。
インダス文明が紀元前1600年に滅亡しているということがリンクしているのかどうか知りませんが、彼らは南の島に航海へ出かけました。
その頃の海はとっても怖いものだったと思います。
地球が丸いこともわかっていない頃です。太陽を周回していることも、月が地球を回っていることも。
きっと彼らは航海にかけてはとても賢かったのでしょう。
そういえば、私がミクロネシアに行った時、たくさん使われていました。丸太をくり抜いたメインの船体に細い丸太をアウトリガーとして付けている船を・・・まるで私たちで言うママチャリ感覚で。
帆は、ナイロンでできたお米用の袋をつなぎ合わせたものでした。
ミクロネシア島民の足、セイリング カタマラン 船体は丸太をくり抜いたもの
カタマランは技術の進歩からうまれた最新鋭の船かと思ったら、歴史的に長い乗り物だったんですね〜。
本題から逸れましたが、カタマランはタミル語 kattumaram からきているもので、トライマラン・・・は後に派生してつくられた英語だと言えます。
カタラマン、トライマランの語源なんて、別にどうでもいい話ですが、すっきりしました。カタマランって絶対英語の響きじゃないですものね。
カタマラン…が、丸太を並べて繋いだ…という意味なら、船体が3つあるトライマランもカタマランと言えるかも知れませんねッ。
私のタンデムアイランドはトライマラン・タイプのセイリング・シーカヤックです。
先ほど台湾あたりを起源としたポリネシア系の…と書きましたが、多分これには諸説あることと思います。
NZに居た時、新聞の見出しにデカデカとこう書いてありました。Japanese from Maori? と。おいおい…
Maori(マオリ)とはNZが西洋人に発見されたときの先住民族。
台湾あたり…ではなく日本あたりが起源かも?と思うと、どうでもいい話だったはずが興味が出て来てしまいます。
Maori from Japanese?のほうがしっくり来るのですが…
セイリング カタマランも、帆を降ろせばこのように・・・。
まるで空中を進むがごとく透明度の高い環礁の内海 @Ngatik環礁