為替の動きや消費税の変更はありましたが、私がタンデムアイランドに注目しだした2014年頃、日本での定価は確か56万円でした。
高いな~、年に何回乗るのかな~などと考えているうちに80万になり、そして100万円を超えてしまいました。友人からの押しもあり2016年末購入契約に至ったのですが、決め手は値上げの裏で仕様がぐんとレベルアップしていたことがわかったことです。
◎ミラージュドライブの進化◎
例えばミラージュドライブ。Hobieが特許を持つ足踏みすると下のフィンが動いて推進力になるという機械ですが、これがかなり良くなりました。
以前は、スタンダードサイズのフィンに少し大きめのターボフィンがオプションで用意されているだけでした。2016年末には形を変えたターボフィンが標準になっているだけでなく、バックできる機能がついている「ミラージュドライブ180」に進化しました。
このリバース機能、最初はなめていました。港の出入りだけでなく、外洋で釣りをしている時、風でスルスル流されてしまう場合にこのバックがモノを言います。適度にフミフミしているだけでほぼ同じところにとどまることができ、同じポイントで糸を垂らすことができるのです。本当に重宝します。これ無しでは考えらえないほどです。
実はこの原稿を書いている2020年3月には新しいミラージュドライブ(Mirage Drive180 Kick-Up Fin)という新機能付きのものが標準仕様になっていることでしょう。浅瀬などの障害物にフィンが当たった場合、フィンが折れることで障害物を逃がし(高価な)ミラージュドライブの損傷を回避するのです。特筆すべきは障害物に当たって折れたフィンはさらにその後あっという間に元通りになるということです。
百聞は一見にしかず。Hobie catのホームページで確認してください。
ALL-NEW from Hobie: MirageDrive 180 Kick-Up Fin Technology
◎船首のシェイプ◎
船の形も微妙に変わっています。私が買った代のひとつ前は、バウ(船の先端)の形が普通の船の形(レイキッドバウ)でした。2017年の代からは流行りというか・・・普通の船と逆の形をしている(リバースバウ(言い方はいろいろ))になりました。従来のレイキッドバウの方が利点が多いようですが、リバースバウの方が精悍でかっこいいです。
◆↑ 船の先端に注目! これは普通の船っぽいレイキッドバウ(raked bow)◆
◆↑ 船の先端の形の違い・・・わかりますか?リバースバウ(reverse bow)◆
◎シート(椅子)の進化◎
標準仕様の椅子も格段にグレーアップ。バンテージシートはお尻をずっとドライにキープでき、快適に遊べるようになりました。腰にも優しくとっても満足しています。
◆↑ 昔のタイプのシートはスポンジのマットのみ◆
◆↑ 今はリクライニングも調節でき乗り心地かなり!向上◆
センターボードも以前は抜き差しタイプでしたが、私の代からはキックアップタイプになっています。
これなら値上げも許せるか、と納得して買いました。正直言うと”頼んでないのにどんどんグレードアップしちゃって・・・”と恨めしく思ったものですが。
これから購入される人は先に書いたキックアップ機能つきのミラージュドライブが標準仕様になるのでしょう。きっとお値段もグレードアップしそうですね。
現状に甘んずることなく、進化を続けるHobie cat Adventure Island & Tandem Islandの今後が楽しみです。
進化といえば・・・Hobie cat社のフォーラムには、ユーザーから「フォイル(水中翼)を採用する予定はあるか?」という質問がありました。会社からの回答は「その予定はありません」とのことでしたけど、手軽にフォイリングを楽しめるボートが開発されるのが楽しみです。
細かいところではいろいろ進化の跡を見ることができます。船体の型、私のはやわらかな曲線をしていますが、最新のは上面の部分が角張った感じになり、かっこいいです。いいなぁ~
※上に紹介した最新のミラージュドライブKick-Up Finですが、浅瀬に侵入したときにはご覧のビデオのように効果的ですが、映像にはその後ろに控えているラダーがどうなるかが(意図的に?)映っていません。そのままならきっとナイロンのピンが折れてラダーがぶらんぶらんになっていることと思います。気を利かせてラダーを水面まで揚げていたらいいのですが・・・。
フェイルセイフ(バカ避け)の設計はとてもありがたいものです。でもどんな”バカ避け”アイテムが付いているからといって、乱暴に扱ってはいけません。波のある海で不用意に岩礁に乗り上げればがっぽり船体に穴が開いて大変なことになります。気を付けて楽しく遊びましょう!