シーカヤック 緊急時の連絡手段

f:id:kayakadv1:20191129094147j:plain

◆右胸には防水パックに入れたiphone、左胸にはVHF無線機 ともにストラップをジャケットに結んでいます!◆

国際VHF無線と携帯電話をライフジャケットのポケットに入れて海に出ています。

VHF無線を使うには、書くのもうんざりしますが国家資格が必要だったので仕方が無く暗記勉強をして東京会場まで行って受験してきました。第二級海上特殊無線技士という資格です。

f:id:kayakadv1:20191129135138j:plain

試験にめでたく合格したからといって国は無線を自由には使わせてくれません。交信をするには「開局」の手続きをしなければなりません。わずかですが有料かつ有効期限付きです。

でも私はハンディータイプの無線機を購入し今手元にあります。無線機で他人のやりとりを聞くのに開局は必要ないから構わない(法には触れていない)のです。

そのうち気が向いたら開局をしようと思いますが、考えてみました。

ひとり海に取り残されて生きるか死ぬか・・・という状況をです。運悪く携帯電話は電源がありません。そこで私は無線機を握りしめます。

「これでボタンを押して救助を呼んだら電波法違反になるから止めとこう」と考えるか?です。

私なら迷わず救助を求めるためにボタンを押して発信します。命が助かった後で電波法違反に問われても死刑になることはないでしょうし。

法に違反したらどうなるか私は知らなかったので調べたら、ちゃんとありました。電波法第9章の第110条第1項にこう書いてあります。

「免許がないのに、無線局を開設し、又は運用した者は一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」

だそうですので、あとは皆様の判断にお任せします。

いけませんね、法を無視して捕まったら罰金を払えばいいや、という考えは。

適切な運用をお勧めします。

実際にチャンネルを16にして無線のやりとりを聞いてみました。

16chは呼びかけチャンネルなので、いろいろな交信がはじまるのです。

(どういう仕組かわかりませんが、交信のすべてが聞けるわけではありません)

 

横浜にいると、東京、川崎、横浜、横須賀、千葉の各ポートレディオ、そして東京湾全域を管制している東京マーチス(Marine Trafic Information Serviceの通称)、それとパイロット船、米軍の軍艦からや大型船どうしの呼びかけなど、通信のやりとりの一部を聞くことができます。

米軍艦からセキュリテ・セキュリテ・・・と注意を促す通信があったりします。“北緯・東経●●●・・・何度に向けて軍艦が航行中・・・”と言っているのでしょう。早口で正確に聞き取れませんが(苦笑)。

商船がそれぞれの港の管制センターとどんなやりとりをしているかというと、出港の予定時刻の確認やアンカーを打ちなおすとか、次の寄港地はどこかとか言っています。

日本でこの無線機がプレジャーボートで使えるようになったのは最近(平成21年)のことで、国を問わず世界のプレジャーボートと商船等で使用されている国際VHF無線が、やっと!国家資格とお金は掛るけれど使えるようになったのは日本のマリン界にとって大きな進歩です。

ただ、まだまだ普及はしていないですね。こういう無線施設は基本的に全員が使える状態にあるということが大事だと思うのですが、何度も言います“国からの許し”が必要なうちはハードルが高いため、普及は進まないのだと思います。あと値段も。

※問い合わせがあったので書いておきます。電波を管理する総務省に直接聞きました。

巷では「母港」を持たないカヤックなどは無線局を「開局できない」、つまり国際VHFは使えないのだと聞いていました。それを確かめるべく当局に電話したところ、拍子抜けしました。あっさり「開局できる」とのことでした。まだ実際に開局はしていませんが使えることがわかって安心しました。