ポリエチレン製のカヤックってどうよ?

ポリエチレン製のカヤックってどうよ?

と最初は思ったものです。

ヨットボートと言えば、ポリエステル樹脂にガラス繊維を 重ねて成形する強化プラスチック(いわゆるFRP)製が最強!と思っていましたから。

不思議なもので、私が ”タンデムアイランド欲しいモード" に入ってから、ポリエチレンって結構いいじゃないのぉ~という場面に出くわすことが増え、先に紹介した先入観はさっぱり無くなりました。

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旅行でGuam(グアム)に行った時です。

ホテルの前はプライベートビーチ。ホテル内の施設は使い放題、遊び放題。

レンタルできるヨットは残念ながらありませんでしたが、カヤックはいつでも使える状態でした。それがsit on topタイプのポリエチレン製のカヤック

表面を見るとかなり使い込んだモノだということはわかりました。日本よりはるかに紫外線を多く浴びていると思われるそのカヤック、ビーチを引きずったり雑な使われ方をしているはずなのに、船自体はとっても元気なのです。

 

一方、FRP製のボートの劣化は深刻です。

強化プラスチックだと思って雑に扱うと細かいヒビから水が浸入して結構短い間に無残な姿になってしまします。

修理も大掛かりで…私には無理っぽいです。

 

ポリエチレン・・・思い浮かべるとしたら灯油タンク。あれが一番身近です。タンデムアイランドは肉厚の灯油タンクのような質感です。

 

化学的にはエチレンの重合体(ポリマー)ということなりますので、「ポリ・エチレン」と書いた方が良いかも知れませんね。

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 ☆ポリエチレンの化学式☆ 

スーパーの買物袋も、お風呂の桶も、冷蔵庫に入れる前に張るラップも、いわゆるタッパーも、ポリ・エチレンなどが使われています。

服の繊維になるポリ・エステルも、車庫の屋根になっている透明の板、ポリ・カーボネートも、食品の保存でお世話になるタッパーのポリ・プロピレンも、それぞれの重合体、ポリマーなのです。

重合体という言葉は知らなくても「ポリ・バケツ」なんて、もう日本語ですよね(笑)

 

ポリ・エチレンは1900年ころにドイツでのある実験の最中に偶然に見つかったものらしく、50年かけて量産化されるようになり、世界の隅々にまで広がったのですから運のいい素材です。

 ◎長所:成形しやすい、水が浸み込まない、薬品や油にも強い、価格が安い、(成形方法によってだが)強度が高い

 △短所:熱にあまり強くない、接着剤や印刷に向かない

こういう特性はありますが、難しいことはともかく、このポリ・エチレン製の船は結構イケるということです。

 

もし、タンデムアイランドFRP製だったとしたら・・・

  ①まずカートップで持ち帰ることは重くて無理でしょう

  ②船が重くなる分、帆走時のスピードは犠牲になるでしょう

  ③砂浜を引きずると底が痛むので、なんらかのガードが必要でしょう

  ④値段が高くて買えなかったでしょう

だからタンデムアイランドはポリエチレン製で正解なのです!

 

私の場合は室内保管ですので、雨ざらし状態より劣化は遅いでしょう。将来このタンデムアイランドを中古艇として売る時が来たら、お買い得ですから(笑)今から書いておきますね。

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☆私のタンデムアイランドは室内保管!☆